導入事例

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2012 年にECO Meeting4U をご導入いただいた京都大学様。
導入後、5年間の運用で気づかれた点や今後の展開について企画・情報部の川内部長、荒谷課長、澤田掛長にご意見を伺いました。

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目次

全学システムへ展開し、現在は大学の半数の学部が利用するシステムへ

荒谷課長(以下、荒谷 氏)

最初、生命科学研究科という一部局で「会議資料のコピーや直前の差し替え、投票用紙による投票と開票にかかる時間や手間を何とかできないか。」という単純な発想からスタートしました。

そんな中、ECO Meeting 4Uを作っていくうちに「全学で使うことで、物資的なコストダウン、大幅な人件費の節約が可能になる。」と強く思うようになり、全学システムへ移行させるべく部局の掛長クラスを中心に「こんなのあったらいいなぁ。こんなことができたらいいなぁ。」の聞き取りを何度も重ね、普及活動を行いました。

部局によっては紙の資料や投票用紙での集計に手間を感じる程ではなかったり、会議をデジタル化するために一時的に作業が増える面やiPadの購入費用が発生する事などに加え、慣れた作業に対する安心感と新しい事への抵抗感もあるなど、理解をいただくまでとても苦労しました。また、ご理解いただけてもなかなか導入に至らない部局も多くありました。ただ、ひとたびECO Meeting 4Uを利用してもらう機会さえあれば、すぐにその便利さを理解していただけるのですが(笑)。
当初は予算獲得にも苦労しましたが、我々の発想や普及活動に当時の情報部長が理解を示してくださりECO Meeting 4Uにかかる初期費用全てを全学経費で負担いただき、現在ではその後の改修や運用も本部主導で実施しています。現在は導入5年目で、本学の約半分の部局が利用しています。

「投票機能」は当初から実装していましたが随時利便性と効果を検証し、毎年機能の追加や改修を行っています。元々ボトムアップで始まりましたので、全学展開後も部局からのリクエストや意見を中心に仕様策定の参考としていく流れを大事にしています。

本システムの拡大については、導入済みの部局から未導入の部局に異動となった掛長によるECO Meeting 4Uの推薦が大きく貢献しています。こうして徐々に利用部局が増える事で、どの部署に行っても同じシステムを扱えるというのは大学全体にとって大きなメリットだと思います。


川内部長(以下、川内 氏)

本学では事務職員が会議のオペレーションを行います。平成22年の調査では、類似のシステムが4つありました。部局毎にシステムが違うと異動の度に会議運営の習熟期間が必要になりますが、システムを統一する事で、期間的ロスが解消されるので全学運用へのポイントとなりました。

現在、京都大学全キャンパスの無線アクセスポイントは2700箇所となり、どこからでもECO Meeting 4Uの会議に参加でき、急な会議などにも対応できるようなっています。

システムだけではなくiPadやネットワークも含めて安定化が必須になりますが、本システムで最も重要な点はリアリティであり「会議が絶対に止まらない」ことだと考えています。

近年、教育系の展示会等でもペーパーレス会議システムが多く出展されてます。他校でもシステムの選定基準として安定稼働を視野に入れて考えられていると思います。そういう点では、京都大学といった母体の大きな大学で安定して運用できているという事例は大きなポイントだと思います。

ECO Meeting 4Uの提案や導入をどんどん進めていって欲しいですね。

運用するうえで本当に必要な機能を見極めて問題を解決

川内 氏

例えば、ECO Meeting 4Uでの会議が終了した後、会議資料をアーカイブして自動的にグループウェアに登録する仕組みを京都大学のオリジナルとしてカスタマイズしていただいています。

会議の議事録として、この議案がどの会議で決定したのかなどの会議情報がアーカイブされていて、後から検索できる利便性などを考えると、もはや紙の会議に戻すことは不可能だと感じています。

他にも、当初は会議資料の全文検索や類似検索を行いたいといった話もありましたが、実際の運用に照らし合わせると、それらは事前準備の段階で担当者が行っていることが多く、本学の会議中に構成員が活用することはないだろうと判断し、検索機能は搭載しない方向でまとまり、現在に至っています。


荒谷 氏

そうですね。「全文検索機能」については、会議中に「あの資料はどこだろう」という時に便利だとは思います。が、資料を作成している担当者は事前に理解しているはずなので、参考資料として会議資料と一緒に登録しておけば問題ありません。全文検索機能で会議システムに負荷をかけるよりむしろ会議終了後のアーカイブシステムに検索機能を付けたり、実用度の高い機能のカスタマイズを行うべきだと考えています。

例えば、投票機能のカスタマイズです。本学の教員は本所属部局の他に、研究領域による所属学系の二つの所属を持っています。つまり会議には他部局の教員が混在し、その中で投票を行う事も珍しくありません。その場合、会議担当の事務職員には、顔と名前と学部が一致しない事も多くあります。しかし、カスタマイズで投票項目の氏名と共に所属(学域/学系)を表記することで、問題を解決することができました。
また、出欠管理機能も大変便利です。会議に先生が「ログイン」するだけで出席を管理でき、担当者が新任で顔と名前を把握していなくても確実に出欠がとれる点が評価されています。

他に、教員から個人所有のiPadを使いたいとの意見もありますが、データの持ち出しや会議開催時のiPadの充電状況の確認が難しいなどもあり、現時点では部局で準備しているiPadを貸与する形式を取っています。しかし、この運用ではiPadのコストが導入時の妨げになる事も多く、また、月に1度や2度の会議にだけ使用している部局もあり、もっと効率的な運用を検討しています。例えば各部局で管理しているiPadを会議室付けにすることで複数部局でシェアする形式とし、1台当たりの活用回数を増やす事を推進していこうと考えています。

ECO Meeting 4U の導入効果について

澤田掛長(以下、澤田 氏)

導入当初に効果測定した時は生命科学研究科のiPad48台が対象でしたが、現在、30部局1300台の利用となっているので、紙の削減効果よりも携わるスタッフの時間工数削減が大きいと感じています。

また、導入前と導入後で会議時間そのものが20分削減できたといった報告もあります。多くは投票に掛かっていた時間の短縮によるものかもしれませんが、「会議時間を短くできる」といった効果もあると考えていいと思います。

その他、ECO Meeting 4Uで会議を行う事で紙や印刷コストを考える必要がなくなり、資料にカラーを使う頻度とページ数が増加する傾向にありますが、これを紙に戻すとなると大変なコストアップになってしまいますね。

今後の展開について

川内 氏

これからは会議のペーパーレス化が当たり前となり、次のステージとして「システムの安定化」といったキーワードが重要になると考えています。

そのためには、アウトソースなど外部の人的支援を得る事も含めて、「システムの管理」から「システムの運用」に業務の主軸を移行して考える必要があります。

他にも、旧7帝大学の担当理事会でシステムを共同開発するにあたり、各大学から提案がなされていますが、京都大学では旧7帝大学で共同開発するペーパーレス会議システムはどうかと提案しています。


澤田 氏

今後、旧7帝大学や他大学を含めてシステムを共同開発する事になれば、どのようにしてシステム全体のコストを下げるかがポイントになると思います。

京都大学ではECO Meeting に対して4Uオリジナルカスタマイズを定期的に施しており、そのための仕様の策定や運用に手を取られています。

システムの性質上、トラブルが発生すると会議運営に支障を来たしてしまうため、それなりの監視やバックアップの体制を取っていますが、他校と共同で開発したり、管理・運用を行うことで、リスクやコストの軽減ができるのではないかと考えています。

現在、継続して機能追加してきたカスタマイズを一旦止めて仕様を整理し、他大学でも扱いやすい汎用性の高いシステムにすることも検討しています。それにより京都大学側での運用方法が変わる可能性もありますが、システムをクラウド化するなども含めて、「会議システムのあるべき姿」に持っていく事が最善だと考えています。
共同開発によりクラウド化が実現するとなると、管理コストを大幅に下げられるだけでなく、現場でもiPadを買えば直ぐに会議システムを使用できるというメリットがあります。クラウドシステムを継続して利用することでオンプレミスとのコスト試算は逆転するかもしれませんが、現場の運用や人的リソースを考慮すると時代の流れはクラウドだと思います。

京都大学では1300台ものiPadを利用し、全学システムとしてECO Meeting 4Uで会議を開催しており、それなりの運用コストもかかっていますが、もし各部局がそれぞれ個々にサーバーを運用し、さらにそれが異なる会議システムだったらと考えると気が遠くなります(笑)。

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京都大学 様 概要

大学名 京都大学
種 別 総合大学
所在地 京都市左京区
設 立 1897年
WEBサイト http://www.kyoto-u.ac.jp