"ペーパーレス化"や"働き方改革"の波に後押しされ、企業によるIT活用がさらに加速しています。この"ペーパーレス化"と"働き方改革"。どちらのキーワードも、具体的に何をどこまでやるべきかが非常に曖昧で、お悩みのご担当者さまも多いのではないでしょうか。
特に"ペーパーレス化"は「これまで紙を使用して行ってきた業務を、電子データの利用へ移行すること」なので、対象となる業務は多岐にわたり、そのペーパーレスの手法もさまざま。そして、仕事を進めていくために避けては通れない「会議」もそのひとつです。
実は、企業による"ペーパーレス化"は、「会議」から着手するのが最も効率的です。
「企業のペーパーレス化は何から着手すべきか」については、こちらの記事をご参考ください。
本記事では、そんな「会議」のペーパーレス化にどんなメリット・デメリットがあるのかを整理していきます。
貴社の会議では、役員や社員たちの議論のなかで機密情報が飛び交っているだろうと思います。社外秘情報だけでなく、時には極秘情報も含まれるのではないでしょうか。
さらに、会議の場では重要な事柄を決定するために、さまざまなデータ・資料の参照も必要になります。
会議は、非常にセンシティブな内容の情報が「音」として行き来するだけでなく、資料という「形」となり情報が行きかう場。情報は「音」より「形」になれば、なおさら流出するリスクが高まります。
このような機密情報が飛び交う会議という場に、<誰(人)>が参加すべきか。
さらには、機密情報でいっぱいの<資料(データ)>をどのように扱うべきか。
会議をペーパーレス化するしないに関わらず、この<人>と<資料>2点の情報管理は非常に重要です。
ITシステムを利活用して会議をペーパーレス化するということは、<人>と<資料>を、ペーパーレス会議システムで管理するということになります。よって、これらに対する適切な<セキュリティーレベル>が設定できるシステムを選定する必要があるのです。
ペーパーレス会議システムの導入を考える時には、会議を行うにあたって注意深く管理すべき情報<人><資料>と、ポイントになるシステムの<セキュリティーレベル>。この点について注意するようにしましょう。
ちなみに、「ペーパーレス会議に特化していないシステム」の場合、機能や設定項目が多く、操作が複雑になりがちで、<人><資料>の取り扱いも複雑になることが多いようです。その結果、会議の準備者・参加者が十分使いこなせず、会議そのものが中断してしまったり、ペーパーレス化に挫折してしまったりすることがあります。
会議のペーパーレス化を「簡易なファイル共有システム」などで代用してしまうケースもありますが、上記の観点から、おすすめできません。だからこそ、誰もが直感的に使えるインターフェースを持つシステムであることも大切です。
会議のペーパーレス化には、<人>と<資料>がきちんと管理できる<セキュリティーレベル>を持ち、誰もが直感的に使えるシステムを用意すること。失敗しないためには、この点を考慮すれば大丈夫です。
すでに、ペーパーレス会議に特化したシステムがたくさん販売されているので、この点に注意しながら、貴社にあったものを選定・導入するようにしましょう。
最も大きいメリットは、以下の5つです。
例えば、会議資料の印刷にかかる紙代や印刷代、また、会議の資料を保管する場所も不要になります。
会議の準備を行う担当者が、会議があるごとに資料の印刷・差し替え・ホチキス止め・配布・郵送などにかけている時間、会議終了後の資料回収・廃棄にかかる手間など、会議の「準備」と「実施」の部分で大きく時間が短縮できるようになります。また、短縮できた時間を他の業務に回して、全体的な業務効率も高められます。
適切な<セキュリティーレベル>が設定できるシステムを選定することにより、会議の情報を管理・共有できるようになり、情報漏えいのリスクも下げられます。
例えば、ペーパーレス会議システムを導入すれば、それまで印刷費用の削減で白黒印刷になっていた資料も、カラーで見られるようになります。また、タブレットを利用するため、資料の拡大や縮小が自在にできたり、重い資料の持ち運びが不要になったりするなど、システム導入前よりも資料が見やすくなった、運用が楽になったというお声もよく聞きます。
ペーパーレス会議システムの導入を期に、理事長や役員クラスにとってタブレットが身近になれば、ITに対する抵抗感も下がります。ITリテラシーが上がれば、会議以外のシーンでも貴社のIT導入が促進され、企業力の底上げにつながるはずです。
とはいえ、良いことばかりではありません。デメリットは、以下の3つに分けられます。
コピー機やプロジェクターなどと同じように、ペーパーレス会議システムも導入時に機器購入や初期費用などのコストが発生します。月額費用やメンテナンスなどのランニングコストが発生することもあります。
また、システム導入前も後も、全ての工程が自動化されるわけではないので、手間がゼロになるわけではありません。
こちらも、コピー機やプロジェクターが壊れるのと同じです。時にはサーバーの故障やシステムダウンも起こるでしょう。また、管理・メンテナンスの手間やコストも同じようにかかります。
紙の資料のように使いこなすことができない人への教育が必要になるかもしれません。
つまり、ペーパーレス会議システムを導入する前でも後でも、物理的・人的コストはかかります。それをどの程度抑えられるか、という点が一番の問題です。
必要な手間や費用、システムの難易度やセキュリティーのレベルは、選ぶシステムによって大きく変わってきます。どれだけ上記のメリットを得られるのかは、どのシステムを選ぶか次第。導入の際に手間がかかるシステムもあれば、クラウド型システムのように手軽に導入できるものもあります。なにもかもが選んだシステムによって異なるのです。
だからこそ、ペーパーレス会議システムを導入する前と後のコスト・セキュリティー・手間などをトータルで見て、どのシステムが貴社にとって最適か、客観的な比較検討が必要です。